Interview 010

株式会社松田製作所 
2018年入社/
設計部機械技術課
折原 峻

地道な経験を積み重ね、
お客様の希望を幅広く
実現できる設計者に。
Column 001

お客様の「こうしたい」に寄り添う、最適な1台を

当社松田製作所では、産業用に射出成形機や試験機の開発製造を行っています。その中でも射出成形機は中心的な製品で、この業界ではパイオニアと言える存在です。ゴムやプラスチック素材に熱や圧力をかけて型に押し出すことで、精度の高い成形を行うことができる射出成形の技術は、世界の産業界で幅広く使われています。お客様が製造したい部品の素材や形状、求める精度や性能は多岐にわたるため、全てが特注での受注になります。
また、射出成形機本体だけでなく、お客様の状況に合わせて、材料を送り込む装置や、成形された部品を送り出す装置などのオプションを含めた一式のオーダーになることもあります。さらに自動化の程度の違いも加わると、細かい部分も含めたバリエーションは数え切れません。私たち設計部では、各製品のベースモデルからそれぞれのお客様のご要望に細かく合わせたカスタマイズを行う設計業務を担当しています。

ある一日のスケジュール

8:20
始業から設計業務に入り、CADに向かう。営業担当からの指図書を元に構想を練る。
10:30
先月射出成形機を納入したお客様より追加オプションの設計依頼があり、与件をまとめる。
12:45
社員食堂で昼食後、新規の特注度が高い部品の設計へ。過去の類似製品の図面を参照する。
17:10
設計部のテニス愛好メンバーで運動公園のコートに立ち寄り、楽しく汗を流して帰宅。
Column 002

多くの経験を積みながら、
技術の幅を広げて行きたい

入社後の半年間は研修期間として、工場内で射出成形機の一部となるパーツを組み上げる仕事に就き、その後設計部に本配属になりました。はじめは先輩についていただきながら、ベースモデルに近い部品の設計からスタートし、実体験を積みながら徐々に特注のカスタマイズ性が高い部品の設計を受け持つようになり、3年目の現在では、特殊な案件以外はひと通り1台の機械を設計できるようになっています。

お客様からの注文は、お客様の抱えている課題や問題解決への期待そのものです。例えば、「限られたスペースにより生産性が高いマシンがほしい」、「特殊で複雑な形状の部品をできるだけ低コストで作りたい」など、その事情はさまざまです。設計図はそのご要望への回答書に当たるわけで、数多くの幅広い経験があるほど、お客様の希望に沿う設計を行う力になります。だからこそ、今後も地道に幅広い経験を積んでいきたいですね。いろいろなタイプの機械を製造していて、多くの技術を身につける事ができるーそれが当社に応募を決めた理由の一つなのですが、幸か不幸か最近は当社が得意とする、省スペース・省エネルギータイプの堅型ゴム成形機が圧倒的な人気で、受注数が比較的少ない横型の大型マシンなどに携われる機会がなかなか回ってこないのは少し残念です。今後は産業機械に幅広く使われていて、射出成形機にも重要な役割を持つ油圧技術を習得し、回路を設計してみたいと考えています。

Column 003

長く続けられる仕事を。実力がつくほど仕事は面白くなる

ものづくりの仕事と言うと、「こういうものが大好き、こんなものを作りたい!」というような、はっきりした希望を持つ人が向いているイメージがありますが、私の場合は特に強い希望があったわけではありません。他人と話すのは得意ではないので営業には向かないし、大学で学んだ事が活かせて、無理なく通勤できて、長く続けられればいいかなと、半ば消去法のような観点で就職先を選びましたが、それが私には正解だったと思います。
産業機械設計の基礎を修めた後に、ゼミの内容とは関係ない射出成形機の設計に就き、何も知らないところから与えられた仕事をコツコツこなしていくうちに理解が広がり、実力もつき、また仕事の面白みも増えていきました。二次元で引いた自分の図面が1台の機械として、実際に目の前に組み上がると、ものづくりの仕事ならではの大きな達成感がありますね。